花を留める
生活に花を持ち込んで気持ちを明るく…。
その為のヒントをあなたに。

二輪目
剣山を使わない簡単なテクニック
生花では花を留(と)めるために剣山を使うのが基本です。

ですから、剣山の使い方もいずれお話しましょう。単純なようですが、なかなかどうして。私自身、生花を始めて、初めて知ったことがたくさんあります。

しかし、しばらくは剣山を使わない花の留め方をお話したいのです。

それには二つの理由があります。まず、前回も触れたことですが、手軽に花を生けることを楽しむためのヒントになるからです。もう一つは、表現の幅を広げるのに役立つからです。これは特に生花経験者に当てはまることでしょう。剣山は便利ですが、制限もあります。例えば、高さ2メートルを超えるような大作を依頼された場合、あるいは、掌にのるような小品を作りたい場合、「剣山が使えないから、生けられません」というのでは困ります。

今回紹介するのも簡単なテクニック。ビー玉を容器に入れて、花留めとするものです。作例は小品で、この程度なら、どなたでもすぐ試していただけます。しかも、このアイディアは応用が可能です。2メートルほどの枝を留めたい場合、丈夫な植木鉢にその枝を差し込み、レンガや石で周りを埋めるのも、同じ発想ですね。

さて、この作例のポイントはなんといっても配色。こんな小品に赤、青、黄と鮮やかな三原色を使っています。下手をするとゴチャゴチャになってしまいます。有名俳優がたくさん出てきて、だれが主役かわからないような映画はつまらないですね。そんなことにならないよう、青いビー玉はどっしり底辺に。そこへ主役のブーゲンビリアの紅紫を散らします。庭から取ってきた状態では、もっと花がたっぷり付いていたのですが、かなり落としています。そして、脇役のエニシダの黄色を飛ばして、動きを出します。

生けるコツをもう一つ。この作品のように、たくさんの花材をビー玉で留めたい時は、あらかじめ花材を輪ゴムなどで束ね、花束を挿すように生けましょう。そこから微調整した方がうまくいくはずです。

花を留める
華道家 新保逍滄