花を留める
生活に花を持ち込んで気持ちを明るく…。
その為のヒントをあなたに。

一輪目
花一輪、部屋に飾ってあると、ちょっと気分が変わります。

「そんな経験、しばらくしていないなぁ」なんていう方はありませんか?

それはとても残念です。古来から、日本人は花を愛でるということをとても大切にしてきました。その癒し効果をよく知っていたわけです。その効果を突きつめていけば、華道の成立ということになります。花を生けることが、瞑想、更に意識を超脱するような経験につながります。しかし、そこまでいかなくとも、もっと気軽に花を楽しみませんか。生活に花を持ち込むことで、心をちょっと明るくする日本人の智恵と感性を取り戻しましょう。

「早速、一輪挿しでも試してみようか」ということでも結構です。しかし、せっかく華道家の拙文に付き合っていただいているのですから、ちょっとしたアイディアを紹介しましょう。

花を生けることが楽しくなるポイント、それはまず「花を留(と)める工夫をすること」です。その工夫なしで花を生けても、きれいではありましょうが、生ける楽しさは味わえません。花を留めるには剣山、吸水フォーム(オアシス)等が良く使われます。しかし、それらがなくても花を留めることができます。いろいろな方法がありますが、いずれも簡単なもの。そんな方法をいくつか紹介しましょう。

写真の例は、青い備前焼きの半円の器に白アジサイを一つ置いたもの。

ちょうど丸く収まっておもしろい。器の形が生かされています。そのアジサイの上につぼみのついたパセリの茎をのせています。このように軽い材料だと、アジサイが花留めの役割をしてくれるわけです。アガパンサス等でも同様の遊び方ができます。白アジサイのまだ薄く緑がかった白は私が一番好きな色。実に清々しい。緑の線を上に遊ばせることで、アジサイの緑白色が強調されています。パセリのつぼみがいずれも違う角度で入っていることにお気付きですか?
これもプロのテクニックの一つです。

花を留める
華道家 新保逍滄