ここ数年、よく「プチ整形」という言葉を耳にします。「プチ整形」とは、メスを使わないので痛みも少なく、施術後に化粧をしたり顔を洗ったりできるお手軽な若返り術です。
今回はプチ整形の中のしわ取り注射のお話です。
1895年にボツリヌス菌が発表されました。ボツリヌス菌はわずか1gでも1000万人以上の人を殺傷できると言われる程の猛毒を持つ細菌です。過去に細菌兵器として利用され問題になったこともあるそうです。しかし、このボツリヌス菌は1970年以降から筋肉の動きを抑制する効果が発見され、顔面の神経麻痺等の治療薬として製剤化する為の臨床試験が行なわれていました。
1987年に皮膚科と眼科医の夫婦がけいれん治療している患者のしわがきれいになくなっていることに着目し、自分達の受付係の女性に承認を得てボツリヌス毒素を注入しました。その結果眉間のしわが改善され、ここから美容業界でボツリヌス菌の毒素から作られた薬剤、ボトックス注射がしわ取りの為に使われるようになったそうです。
ボトックス注射をすると、末梢神経からの命令が筋肉や汗腺等の組織や器官に伝わりにくくなる為、表情筋によるしわが目立たなくなったり、多汗症が改善されたりする等の効果があります。使用する毒素の単位もごく少量で、医学的に体に影響はないそうです。
ボトックス注射は、2~3日後に効果を表しますが、その効果は約4ヶ月でなくなってしまいます。また浅いしわには効果的ですが、深いしわには有効ではないので、ヒアルロン酸を注入します。
最新の情報によると、ボトックスに代わる、乳歯の幹細胞や口の粘膜を培養して注入するしわ取りが研究されているそうです。
とはいえ、ハリウッドでは多くの女優達がボトックスを使っているので、目の演技に信憑性が欠ける等、監督達が頭を悩ませているという裏話もあります。
しわも自分が生きてきた軌跡です。ある程度の加齢によってできたしわは受け入れて、素敵に歳をとりたいものですね。