赤ちゃんの口の中の健康(授乳期)
歯がまだ生えていない時期から、口の中の健康を保つのは大事なことです。赤ちゃんが母乳を飲む様子を観察してみると、小さな口でおっぱいを含み、一生懸命吸っているのがわかります。それによって、赤ちゃんのあごがしっかりと鍛えられます。哺乳ビンでは母乳ほど強く吸わなくてもミルクが出ますから、あごを鍛えるという面では母乳に勝るものはありません。
最近、歯並びが悪い為に虫歯ができやすい子が増えていますが、その大きな原因の一つとして、歯の大きさに比べてあごが小さいことがあげられています。あごの発達にとっても、直接おっぱいを吸わせることが大切なのです。栄養面から見ても母乳以上に優れた栄養品を作りだすことは、不可能で「できるかぎり母乳で赤ちゃんを育ててほしい」というのが、全ての専門医の願いです。
しかし、母乳をあげたくても、どうしてもお乳の出が悪いお母さんや、仕事の関係上、何回かは粉ミルクに頼らざるをえないお母さんも大勢います。 その場合はヌークの乳首等、ある程度吸う力が必要な製品を選ぶといいでしょう。
乳歯の虫歯予防に大切なのは、人工乳に砂糖等の甘味を加えないことです。赤ちゃんの時期に甘いものを与えてしまうと、早くから甘いもの好きな子供になってしまう可能性があります。母乳には粉ミルク程度の乳糖が含まれています。市販の粉ミルクには「乳糖」が加えられています。しかし、この乳糖による甘味の習慣化は心配する必要がありません。問題は、お母さんが砂糖を加えることです。 果汁を与える場合も、砂糖は加えないでください。市販の天然果汁100%と書いてあるものでも、果汁の酸味を和らげる為に砂糖が添加されていることが多いです。果汁は、果物をすりおろしたり、しぼって濾したものを白湯で2~3倍に薄めてあげるようにしましょう。
乳歯が生えてきたら歯磨きを始めますが、いきなり歯みがきをしようとして、赤ちゃんの口の中に歯ブラシを入れても嫌がってうまくいきません。赤ちゃんの口の中の感覚はとても敏感です。まず、この過敏さを和らげることが先決です。その為には、歯が生える前から、赤ちゃんの歯ぐきや唇を指でさわってやりましょう。指でさわられることによって、口の中に歯ブラシ等が入ってくるのを受け入れやすくなるでしょう。
3月号では、離乳期の赤ちゃんの口の中の健康について、お話したいと思います。
(Dr.Jonathan Hartley)