熱気球で世界めぐり
ファンフライトからちょっと脱線

熱気球の競技は、簡単そうに見えますが、実は奥が深く、パイロットと地上クルーのチームワークが不可欠な競技なのです。皆さんにも「バルーン」のおもしろさを知ってもらえたらな、と思っています。
ファン・フライト
奥 みずほ
熱気球の世界では大変有名な佐賀県出身。短大生の頃に偶然参加した熱気球大会がきっかけでバルーンの世界にはまる。5年前は留学生として、今回はワーホリメーカーとしてオーストラリアに滞在。趣味はカンガルーや羊を追いかけ回す事。日本での生業は添乗員。趣味でイラストも。
事の始まりは、ファン・フライトの為のBenalla滞在中に、太っちょアダムが注文したデリバリーピザの箱。それには、ピザを持ってポーズを決めたネッド・ケリーのイラストが描かれていました。
さほどネッドに興味がなかった私ですが、それでも、バケツを頭から被ったような鎧を着た人物(失礼)が、オーストラリアの伝説のブッシュレンジャー(山賊)にして最大のヒーローだという程度の知識は持っています。
私が笑いながら「見て見て、ネッド・ケリーがピザ屋でバイトしてるよ! なんでだろうね?」と言うと、アダムが理由を教えてくれました。
Benallaから車で20分程のGlenrowanという町は、ネッド・ケリーが最後に警察と戦って捕らえられた、ゆかりの深い場所なのだそうです。
「Bloody bigなネッド・ケリーの像があるから、明日の朝のフライトが終わったら見に行こうね!」
こうして、Glenrowanへの小旅行が決まりました。こんなに気ままにスケジュールが組めるのも、ファンフライトならではです。
さて翌日、バルーンを楽しんだ後に、アンガスも加え3人でGlenrowanへと向かいました。ドライブ中、アダムはネッドについて簡単に教えてくれました。
ネッド・ケリーはアイルランドの流刑民の子であること、子供の頃から警察に常々嫌がらせを受けていたこと、ブッシュレンジャーと言っても旅行者や幌馬車等を狙い、一般市民は絶対に狙わなかったこと、人殺しはあくまで自衛の為だったこと等です。
私は、一番の疑問をぶつけてみました。「でも、なんでドロボウの殺人者がオーストラリア最大のヒーローなの?」
するとアダムは「オージーはヒネクレてるからね! 警察や政治家…権力が大っ嫌いだし、それにネッドは当時の労働者階級の人達の代弁者だったんだよ。でもなんといっても一番の魅力は、何よりも仲間を大事にしてるところ!」と目を輝かせて教えてくれました。
そうこうしているうちに、あっという間にGlenrowanに到着しました。本当に小さな町で、「ネッド・ケリーのおかげでかろうじて生き残っている」というのが第一印象でした。
さて、駐車場の近くに、ありました、ありました、Bloody bigなネッド・ケリーの像が!! 早速記念撮影。彼の鎧を見る度に思うのですが、そんな重いものを着ていたから、捕らえられちゃったんじゃないかと…。ちなみにこの鎧、40kgもあったんだとか。
お土産屋さん、ネッドの博物館、カフェ、レストラン…あっちもこっちも、ネッドだらけ。
それらを通り抜けた先に駅があり、駅の目の前のGlenrowan innでケリー・ギャングと警察の戦いが繰り広げられたそうです。ネッドは一般市民を巻き添えにしたくなかったのに、警察が無差別に発砲したことで、市民にも三人の犠牲者が出てしまったとか。そして最後には警察がinnに放火、ネッドの仲間二人は焼死してしまいました。現在は、innの看板のレプリカだけが残っています。
GlenrowanとBenallaは、ワイナリーもたくさんあって、メルボルンからの週末のドライブには絶好の場所。良かったら、ぜひ一度足を運んでみてください。